The Daily Jakarta Shimbun
クルーズ船規制緩和
外貨獲得を狙い国内で乗下船可能に

政府は外国籍のクルーズ客船の規制を緩和する。世界有数の豊富な海洋観光資源を活かし、世界からクルーズ客船に乗ってくる富裕層からの外貨獲得を狙う。(堀之内健史)

運輸省はこのほど、外国籍のクルーズ客船に関する規制を緩和する運輸大臣令(2015年第121号)を発令したと発表した。
同省のボビー・ママヒト海運総局長によると、これまで海外からインドネシアに寄港するクルーズ船に国内から乗船することはできなかったが、緩和により、タンジュンプリオク港など国内主要5港で新たな客の乗船と乗ってきた客の下船が認められた。
乗船・下船ができるのはタンジュンプリオク港(北ジャカルタ)のほか、タンジュンペラック港(東ジャワ州スラバヤ)とマカッサル港(南スラウェシ州)、ブノア港(バリ州)。
乗船・下船を伴わなければ、5港以外の港にも寄港できる。ボビー総局長によると、規制緩和を受け、複数のクルーズ会社からインドネシア国内の観光パッケージ作成について問合せを受けているという。
規制緩和により、世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲが生息するコモド島や、海洋生物の多様さで注目されている西パプア州のラジャアンパットなどへのクルーズ客船の寄港が増えると見られる。これまで海洋観光による外貨収入は1年あたり10億ドルほどだったが、今年は40億ドルを目指す。
2013年にインドネシアに寄港した外国籍のクルーズ客船には57隻で8万1372人が訪れた。14年は73隻で10万2270人、今年は9月までに61隻10万6653人とアジア全体でクルーズ客船の寄港が増えるのに伴い、インドネシアへの寄港も増加傾向にある。
また、緩和によりインドネシア人はこれまでクルーズ客船に乗るためにはシンガポールやオーストラリアを経由しなければならなかったが、国内から乗船可能になった。

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