ギャニャールのスカワティ村は、かつてのバリ島を思わせる広さと静けさを持ったエリアだ。
そこに33.4アールもの土地に、たった1つのベッドルームを持つ建物が佇んでいる。
他に類を見ないとはこのことだろう。

普通、ヴィラ建築は採算を考え、複数の建物を建てるもの。
あるいは、複数のヴィラを建て、土地を有効活用する。
これだけの広さがあれば、広めのヴィラが6つは作れる。
しかし、この所有者は一般的な考えを無視し、「自分が住みたいヴィラを作る」
という夢を追い求めた。
そして、理想を現実のものとする。

こちらのヴィラのオーナーは日本人男性。
2014年からバリ島に住み始め、2015年から自分が住むためのヴィラを建てるべく、土地を探し始めた。
何ヵ所も見て回ったがなかなか「住んでみたい」と思えるところがない。
しかし、たまたま夕刻に通ったこのスカワティの田舎で、道の左右の田畑が黄金色に染まる景色に感動し、
「ここだ!」と直感する。
それからは猪突猛進!
借地できる土地を探し、2016年に契約した。

ヴィラの左右は畑、後ろはドリアン畑。
ヴィラの前の畑はオーナーがレンタルしている土地である。
遮る建物はなく、入ってくる風がひんやりとした空気を運んでくれる。
エアコンもそれほど必要としない。

公道から私道へ約50メートルほど入り、門をくぐるとそこがヴィラ。
トロピカルガーデンに囲まれ、母屋と小さな離れで構成される。
広々とした芝生の庭、緑の芝生を囲むようにミニ擬似ビーチ、日光浴できる白砂スペース、
日本家屋風の茶室、すべてがオーナーの夢を具現化したものである。

しかし、その夢はコロナ禍により、突如、崩れる。
訪バリできないコロナ禍に管理を任せていたインドネシア人がいたが、
オーナーがバリ島に戻ると、こだわって買いそろえた家具やオブジェがなくなり、
管理を任せていたインドネシア人も消えていた。
こうして、オーナーの隠居生活の夢は崩れ去った。
こだわって何年もかかって進めてきただけに、ショックは大きい。
もう、気力がなくなり、売却を決意する。

今、このヴィラはオーナーの夢と情熱を受け継ぐ主人公を待っている。
広大な土地と、静かで美しい景色は、次のオーナーが新しい物語を紡ぐだろう。
人生は予測不可能。
時には悲しい出来事も起こるが、それでも物語は続いていく。

価格 : 3,780,000,000 / リースホールド18年
    4,880,000,000 / リースホールド28年
土地:3,350m2