6 バリ島への移住、羨ましがられるも複雑な心境
久しぶりにお友達に会いました。
彼女とはもともと家が隣同士で同じ歳だったこともあり、ずっと仲良くさせてもらっています。
ご主人の転勤にともないもう何十年も前に彼女は引っ越してしまいましたが、今でもこうして時々会って交流を続けています。
主人や子どもに言えないことを話してきた間柄なので、今でもお互いのことを信頼し合っています。
そのためバリ島への移住について彼女に話したのも、当然の成り行きでした。
「バリ島って素敵なところみたいだし、そんなところに暮らせるなんて羨ましいわ」と彼女。
でもその後の彼女の言葉に、わたし自身動揺してしまいました。
「でもわたしにはできないと思う。この歳になって、まったく知らない土地でまったく知らない人たちに囲まれて暮らすなんて。そもそも日本語だって通じないでしょう?食事だって口に合わないかもしれないし、そんな中で主人とふたりきりなんて余計にストレス溜まりそう」。
そう言われてみると、確かにその通りかもしれません。
働き盛りの頃はほとんど家に帰らず、仕事ばかりしていた主人。
何十年も結婚生活を続けてはいるものの、一緒に過ごした時間は実はそんなに多くはありません。
わたし自身主人のいない生活に慣れてしまったこともあり、今後ほとんどの時間を一緒に過ごすとなると彼女の言うとおり余計なストレスを抱えそうです。
さらに「今まで日本で築いてきたものをあきらめるって、覚悟がいるわよね」と彼女は続けます。
住み慣れた家や親しい友人たち。娘やその家族にも頻繁には会えなくなるし、いつか娘に子どもができた時にもいろいろと助けてやることができません。
それに親戚付き合いもおろそかになってしまうし、万が一身内に不幸があってもすぐには帰れません。
「南の島でのんびり暮らす老後って憧れるけど、現実を考えると結局憧れだけで終わってしまうのよね」という彼女の言葉には、説得力がありました。
やはりわたしたちは無謀なことをしようとしているのでしょうか。
コメントを残す