久しぶりに家の電話が鳴りました。
ほとんどの人はわたしの携帯電話にかけてくるので、その電話が母だとすぐに分かります。
娘のことがあってから、母のところへは訪ねていません。
母の前で笑っていられる自信はありませんでしたし、わたしの落ち込んだ顔も見せたくありません。
何より、母には余計な心配をかけたくなかったのです。

母は私の近況や主人の様子を尋ねた後、昨日娘が訪ねてきたことを教えてくれました。
娘は母にわたしたちのバリ島への移住についてどう思っているのか意見を求めた後、自分のしたことを後悔して泣き出してしまったそうです。

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母が言うには、やはり娘はわたしたちが日本を離れようとしていることにショックを受けていたようです。
「親離れできない自分が情けないけれど、それでもやっぱりお母さんと離れるのは辛いの」
と涙ながらに言ったそうです。

さらに自分には黙って結論を出してしまったわたしたちに、腹を立てていたとも。
そして運の悪いことに、その怒りはわたしが訪ねた時頂点に達していたとか(その日仕事でも嫌なことがあったらしく、それも重なっていたようです)。
そのためあの様な態度を取ってしまったということでした。

娘は「わたしに悪いことをした」と、かなり反省していたそうです。
「心から申し訳ないと思っているなら、本人に直接謝りなさい」
と母は娘に言ったそうですが、娘は黙って母の言葉を聞いていたとか。
「そのうちあの子の方から謝りにくるんじゃないかねぇ」、と母。

わたしとしては今すぐにでも娘に電話して、「この間のことは気にしないで」と言ってあげたいのですが、母は娘が謝りに来るまでそっとしておいた方がいいと言います。
「まだ心の準備ができていないだろうから」と。

それにしても、娘の本音にわたしも涙が出そうになりました。
ここしばらく娘の態度に食事も喉を通らないほどショックを受けていたわたしでしたが、それは本心ではないと知り改めて安心しました。
母の言う通り、娘から会いに来てくれるまで待とうと思います。