弊社には、日本人の方からトラブルの相談が寄せられます。

その中で代表的なものを紹介します。

理解しておいていただきたいのは、トラブルは海外だから起きるというわけではなく、日本にいても起きていることです。

しっかりとした知識とノウハウを持ち、手順を踏んでおけば防げることですのでご安心ください。

トラブル事例1

いつかは南の島でのんびり暮らしたいと考えていたaさん。

その中でもバリ島は、安全なリゾート地で一番の候補地でした。

そんな彼は、バリ島で知り合った日本人に自分の思いを相談し、土地を紹介されました。

空港から4時間。海まで車で10分、土地の周りは山や田んぼで景色がよく、aさんは雰囲気は気に入りましたが、中心地から遠いことが気になっていました。

紹介者の日本人は 「大丈夫、大丈夫、バリ島は開発が進んでるし、近いうちにここもバイパスが通ることになっているから。

それに空港建設の話もあって、もしそれが決まったら、今の10倍以上の値段になるよ。投資案件としては安いうちに買わなきゃダメだよ」 と言います。

aさんはすっかりその気になり、「まあ、300万円くらいなら」とその土地を購入してしまいました。

しかも、リースホールドで。 何度か足を運んでいるうちに、空港建設やバイパスの話が10年前の話で未だ実現していないこと、交通の不便さ、現地の相場は実はかなり安いこと、などから土地の高騰は望めないことに気がつきました。

ひと言で言うなら「原野商法」にひっかかったわけです。

その後、売却しようと試みましたが5年以上買い手がつかない状態です。

コメント

日本人は、海外で日本人と知り合うと無条件に信用してしまう傾向にあります。

でも、よく考えてみてください。 私たちは日本人です。 親兄弟がいて、友人がいて、仕事の人脈があり、子どもがいれば学校の問題もあります。

そうした中で簡単に日本を離れられないのが普通です。 それなのに、日本を離れて海外を拠点にしている人の中には、日本にいられなくなった人も多いのが現実です。

そういう人たちにとって、一番のカモが日本人なのです。

現地だけでなく、日本でも相談でき、信頼のおけるパートナーに相談しましょう。

トラブル事例2

会社を早期退職したmさんは、 カラダが動くうちはバリ島でのんびり暮らしたいと考えていました。

熟年離婚し、子どもも成人しているのである意味悠々自適です。

mさんは、バリ島の好立地にリースホールド25年で土地を購入しました。

その後、現地の日本人に紹介された建築業者と契約し、お金を支払い、 半年後には憧れのヴィラ完成予定でした。

ところが、外塀ができたあと工事は一向に進みません。

不審に思ったmさんが建築業者に問い合わせると、「大丈夫。これからやるから」とのこと。

1ヶ月、3ヶ月・・・3年間。 そのままの状態になっています。 結局、mさんはヴィラの建築をあきらめ、月額3万円のアパートに住んでいます。 面倒くさくなってしまったようです。

その後、その土地は弊社で購入させていただきましたが、幸い土地の相場が上がり、購入時の2倍近い金額になったため、mさんは損はしないですみました。

コメント

日本でもバリ島でも「安い業者を紹介する」という話はあります。

日本なら、知り合いもいて確認ができます。 でも、ここはバリ島なのです。

同じ仕様なら安いにこしたことはないのですが、モノには相場があります。

私たちのように、地元出身のスタッフがいて、現地でビジネスをしているならともかく、たまたまバリ島に来たあなたが、偶然に上手い話に出会うことはないのです。

業者選びは、くれぐれも慎重に、信頼できる業者を選んでください。

 

トラブル事例3

日本人女性sさんが数年前に、バリ島のビーチボーイ(ペドロ)と恋に落ち(本人曰く)、結婚するつもりでペドロの名義でヴィラを購入しました。

2ヶ月に1度のペースで日本からバリに通っていたそうですが、ある日から購入したヴィラではなく、彼のヴィラに宿泊するようになりました。

何度かバリに行くうちに心配になった彼女は、自分のヴィラに行ってみました。

すると、知らない外国人(白人)が家族と住んでいます。

事情を聞いてみると半年前に購入し、今は自分のヴィラだと言うではないですか。

驚いた彼女は、ペドロに問いただすと「半年前に売った」とのことでした。

相談を受け、契約時の書類を確認すると、その物件には、抵当権が設定され、契約上はペドロが彼女の承諾なしに売ることはできません。

でも、現実には売ってしまっていてペドロはお金を受け取っているのです。

このケース、sさんはペドロと裁判で争っても、いいことないです。

インドネシアの裁判は、ものすごく時間がかかり、 日本人のとっては意味不明なお金もかかります。

その上、勝ったとしても、ペドロからお金を取り立てるのが難しい。

結局、私たちはペドロには裁判をほのめかして少しだけ脅して、 売却代金の一部をsさんに戻させることで決着させるしかありませんでした。

それでも、上出来だったと思っています。

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人はお金が絡むと変わるものです。

インドネシアの平均所得は日本の10分の1。

日本人にとっての100万円は、彼らにとっては1000万円なのです。

インドネシア人も初めから騙すつもりではないと思います。 でも、時間が経つに従って、心変わりする金額なのです。

信頼できる相手だと思っても、契約事はしっかりすることです。 不動産の契約では、権利書に自分の名前を入れることです。

名義借りで権利書の中に、お金を出した人の名前がなければ、どうにでもなります。 調査能力がある業者、リスク管理能力がある業者を選んでください。

ご理解いただきたいのは、トラブルは日本でもバリ島でも同じように起きます。

ただ、トラブルのパターンが違うのです。

弊社では、最悪の事を考えて、権利書に購入者の名前を入れ、 トラブルのないように契約しています。

その方法はあるのです。