ゆとりある老後のために

総務省の家計調査報告(平成23年度)によれば、60歳以上の世帯平均支出は
約26.5万円となっています。
また、調査による最低の日常生活費は、平均で22.3万円です。
お年寄りの多くが、「最低限に近い水準」で生活していることが分かります。

しかし理想としては、老後はゆったりとした生活を楽しみたい、のではないでしょうか。
「海外旅行に行きたい」
「趣味やお稽古事をしたい」
「孫にお小遣いをあげたい」
「たまには、歌舞伎を楽しみたい」
など、いろいろとやりたいことがありますよね。
これらを実現する「ゆとりある老後」を送るには、いくら必要なのでしょうか?
生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」によると、
「ゆとりある老後」に必要な金額は、毎月38万円です。
年額だと約460万円。
60歳から年金が支給されるまでの5年間にかかるお金は2,300万円にもなるのです。

 

年金受給までの空白の5年間

一昔前まで、年金の受け取りは 60歳からでした。
それなら60歳で定年退職しても、そのまま年金生活に入れるから問題ありません。
しかしこれからは、65歳からの受け取りになります。
60歳で退職すると5年間は収入がないのです。
前述のように年間460万円もの生活費がかかれば、あっという間に貯蓄がなくなります。
日本人男性の平均寿命は79歳、女性は86歳です。
最近は、改正高齢者雇用安定法により65歳まで働けるようになりました。
しかし現実には、一旦退職して再就職し嘱託社員となり、仕事の役割も待遇も大きく変わります。そのため、できることなら退職し、元気なうちに思い通りの生活をしたい人が多いようです。
仮に60歳で退職し、その後の余命を26年とすると「ゆとりのある老後」に必要な金額は1億2000万円となり、65歳から年金の支給があり、平均で月19万円、21年で約4,788万円、その差額の約7,000万円あればゆとりのある老後を過ごせることになります。
65歳で退職しても、その後の余命が21年で必要な金額は9,660万円、年金支給が4,788万円、差額の約5,000万円でゆとりある老後を過ごせることになります。