今日のお昼頃、ようやく娘から連絡がありました。

どうやらお昼休み中に電話をかけてきたようです。

今夜仕事の帰りに訪ねてもよいかと訊かれたので、
「もちろんいいに決まってるでしょう」と答えました。

その後主人に電話して娘が訪ねてくることを伝えると、
「それならわたしも早く帰るよ」とのこと。
久しぶりに家族3人で食卓が囲めると、わたし自身とても幸せな気持ちになりました。

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娘の好きな料理をテーブルいっぱいに乗せたところで、先に主人が帰宅。
その後ふたりで娘が来るのを待っていましたが、8時を過ぎても連絡はありません。
主人は「仕事が長引いているのだろう」と言いますが、わたしは
「来る途中に何かあったのではないか」と心配です。

そうしているうちに9時になりました。
「(もし本当に仕事なら)邪魔になるから」とこちらから電話をかけるのは気が引けましたが、時間が時間だけにただ待っているのも心配で、結局かけてしまいました。
留守番電話になると思ったら、意外にも本人が出ました。

「遅くなってごめんなさい、でも今向かってるところだから」と、沈んだ声で言う娘。
なんだかわたしたちに会うのが憂鬱なようです。

彼女の声音に心配さを募らせるわたしでしたが、とは言えもうすぐ本人がやってきます。
実際に会ってからいろいろ尋ねようと、とりあえず電話を切りました。

さらにその電話から30分後、ようやく娘がやってきました。
玄関に佇んでいた娘に笑顔はなく、心なしか緊張しているようにも見えます。
わたしは笑顔で「ご飯食べるでしょう?」と尋ねましたが、娘は「いらない」とひと言。
やはりまだ怒っているのか、娘の態度は冷やかです。

主人は黙ってわたしたちのやりとりを聞いていましたが、やがて静かに
「座りなさい」と言いました。
そして娘が向かい側に座ると、主人はきっぱり
「わたしが定年を迎えたら、ふたりでバリ島に移住するから」と言いました。

「そんなはっきり言わなくても」と、はらはらするわたし。
けれど主人は娘に遠慮などするつもりはないようです。