43 一人娘とバリ島への移住。わたしにとってどちらが重要?
「お母さんだけど。昨日はごめんね。もっとちゃんと話したいから、電話ください」。
あれから何度か娘の携帯電話にかけているのですが、まったく反応がありません。
いつもなら留守番電話に伝言を入れておくと、必ず折り返し連絡をくれるのですが・・・。
電話にも出ない、折り返しの電話もかけてこない、多分相当怒っているのだと思います。
主人は「放っておけばいい」の一点張りですが、そんなわけにはいきません。
今回の件に関しては、悪いのは明らかにわたしたちの方ですから。
娘の言う通り、このままバリ島へ移住してしまったら、将来できるであろう孫とも頻繁には会えません。
すでに孫がいるわたしのお友達は、常々「孫といる時がいちばん楽しいわ」と言っています。
だからわたしも、主人が移住すると言い出す前までは孫と過ごす日々を想像しては頬を緩ませていたものです。
それに娘は娘で、いずれは結婚してわたしたちの近くに住み、いつでも孫の顔を見せてあげたいと思ってくれていたようです。
それなのにわたしたちは、そんな娘の気持ちを踏みにじるようなことをしてしまいました。
大切な一人娘が反対している以上、このまま日本を離れることはできません。
けれど主人は、娘のことより自分たちのことを優先して考えるべきだと言います。
頭では分かっているのですが、母親が子どもより自分を優先することなどできるのでしょうか?
少なくともわたしにはできません。
もちろん娘は成人した立派な大人です。
でもわたしにとって、子どもはいくつになっても子どものままで、自分よりも大切で愛しい存在なのです。
父親と母親の愛情表現が違うことも分かっているつもりです。
けれど主人と話していると、どうしても娘をないがしろにしているような気がしてしまうのです。
だからこそ「放っておけばいい」などと言えるのではないかと。
正直、わたしは主人の態度に腹を立てています。
「いい加減子離れしろ」というのが主人の本音なのでしょうが、わたしは娘が認めてくれない限りバリ島へは行きません。
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